2024.05.17 トットの森
この動画は、近日公開予定です。
しばらくお待ちください。
LDKは広い方が良いと思っていませんか?家族が集まるのは広いからですか?
ウサクマさん:ムロタさん、LDKって広い方が良いんじゃないんですか?
ムロタ:それはもちろん、広い方が良いです。雑誌やSNSに出てくる広くて明るいLDK素敵ですよね。
ウサクマさん:それです!いいですよね、憧れちゃいます!
ムロタ:LDKは広い方が良いです。ですがそれは土地の広さや家の大きさに十分な余裕があって予算にも余裕がある場合です。
ウサクマさん:Ummm…
ムロタ:そうではなく、何かを犠牲にしてまでLDKを大きくしようとしていたらどうですか?
ウサクマさん:どういうことですか?
ムロタ:近年は、土地の価格や建設費用がうなぎ上りです。結果、購入する土地の大きさや家全体の大きさが、コンパクトになってきています。
ウサクマさん:それは感じます!
ムロタ:そんなケースでも、お洒落なLDKや広いLDKへの憧れは変わらないので、寝室や子供室収納やランドリルームなど生活や精神の安寧に重要な部分を削って、憧れのLDKを計画するケースが多いんです。
ウサクマさん:仕方のないように思うのですがダメなんですか?
ムロタ:ダメではないですが、計画するときは、『寝室は寝るだけだから』とか『収納は断捨離すれば・・・』とか都合の良い生活を想定して信じたいことを信じちゃうですよ。
ウサクマさん:それはわかります。
ムロタ:ですが、実際は想定通りには行きません。まして家族全員が想定通りに生活するなんてとても無理なので、結果はそこら中にモノが溢れたり、ぐっすり熟睡できなかったり、後悔する原因になってしまいます。もちろん、居室や収納も必要以上の広さはムダです。ですが最低限の広さって絶対必要です。
ウサクマさん:それも分かります。でも、どうしたらいいですか?
ムロタ:そこでまずは、最低限の広さのLDKを考えるのはどうですか? LDKの目的や将来の暮らし方も視野にいれて、そこから調整していくことをオススメしたいです。時代が変わったのです。暮らし方も変わらないといけません。
ウサクマさん:それはそれでなんか面白そうですね。詳しく教えてください!
ムロタ:分かりました。では新しい時代の住宅は、どんな計画が良いのか?これを紹介します。まずは考えて欲しいのが、寝室は本当に寝るだけでいいのか?子供室は本当に小さくてもよいのかです。
ウサクマさん:でも意外とよく聞くセリフですよね。
ムロタ:そうですが、この言葉って、比べる部屋の大きさを考えずに使っていると思いませんか?
ウサクマさん:どういうことでしょう。
ムロタ:12帖程ある寝室を指して『寝室は寝るだけだから狭くても良い』、これは分かります。ですがこの言葉だけが一人歩きしていて、6帖の寝室になのに『寝るだけだから狭くて良い』ってことで、夫婦二人の寝室なのに4.5帖とかベッドでパンパンの部屋にするとか。確かに寝るときだけを考えればそれで良いのですが、掃除するときはどうですか?ベッドの周囲には、ある程度のスペースがないとキチンと掃除もできません。収納やクロークがないと、大切なモノをしまっておくことも出来ません。プライベートな空間で一息つく時間は必要ないですか?
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:また子供室は彼等の全てがそこに集まります。子供は成長して大きくなります。成長と共にモノは増える一方で、一人になれる貴重な空間でもあります。『居心地が良くなると引き篭もる』とか、LDKで勉強して欲しい』とか。色々な言葉も聞きますが、8帖の子供部屋で収納もしっかりついている、そんな部屋を指しての言葉ならまだ分かりますが、家具式ベッドをいれて3帖にしてしまうとかは厳しいと思います。やむを得ないケースもありますが、最低でも4.5帖の広さは必要です。『いずれ家を出ていくから』とか、『大学に行ったらもう部屋は要らないだろう』とか色々と想定しますが、たとえ家を出たとしても、戻ってくる部屋が有るのと無いのとでは、帰ってくる頻度も異なります。年配になって息子や娘の家族が遊びに来てくれるって重要ですよね。介護の手伝いに来てくれるって重要ですよね。
ウサクマさん:確かに。
ムロタ:なので、このような計画が出てきたときには、今一度考えて欲しいんです。本当に広いLDKの方が重要なのかと。
ウサクマさん:なるほどね、このようなプランはよくあるのですか?
ムロタ:見かけます。『寝室や子供室を削って大きなLDKをドーンと構える』そんな計画が増えてきています。やっぱり、建設費用や土地の高騰のせいですかね。ですが、本当にLDKって広くなくてはダメですかね?
ウサクマさん:あーだから、小さなLDKを知って欲しいってことですか?
ムロタ:正解です。確かに広い方が良いのは分かります。子供が走りまわるLDKは憧れちゃいます。ですが、優先順位が間違っていませんか?家族が集まるのは広いからですか?
ウサクマさん:そう言われると違う気がします。
ムロタ:ですよね。その法則が正しいなら、広いリビングの家は全て家庭円満でないとおかしくなります。
ウサクマさん:んーノーコメントで。
ムロタ:なるほど。
ウサクマさん:LDKはどこまで小さくできるのでしょう?
ムロタ:競争ではないので、小さければ良いというモノでもないのですが、大きくするのは簡単です。最小のLDKを考えるとこんな感じですか。
これは6帖で完結のLDKですが、テーブルの高さを変えられるダイニングソファーを使った案です。
ウサクマさん:6帖ですか、小さいですね。でも4人家族なら使えそうですね。
ムロタ:そうです。6帖のLDKって以前にショールームで体感したのですが、意外と問題ないなーと思ったんです。むしろなんか落ち着きを感じました。
ウサクマさん:分かる気がします。
ムロタ:次は少し大きくした8帖完結のLDK。
これもダイニングソファーを利用したタイプですね。
ウサクマさん:6帖で行けるんですから、8帖は問題なさそうですね。
ムロタ:そうです。むしろ老後はこのくらいの方が調度良いとすら思います。
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:そしてオススメは10帖の畳スペースタイプです。
畳部分を小上がりにして、カウンターでの食事も畳スペースから行える計画ですね。畳スペースの良い所は、ダイニングはもちろん、子供を昼寝させたりもできる所です。畳スペースで6帖程欲しいですが、収納を備えれば寝室にもなりますし、使いやすいスペースになると思います。
ウサクマさん:なるほどね。確かに小さなLDKも悪くないですね。
ムロタ:でしょ。それに大きなLDKは家のバランスも崩すのです。
ウサクマさん:ええーどういうことですか?
ムロタ:家のバランスを知るために、家の部屋割りで考えてみます。こんな感じです。
まずフツウのLDKは、子供室が3帖づつで、寝室が4.5帖収納はファミリークロークという考えです。そしてLDKは18帖で収納を1帖備えます。家全体が23坪前後の住宅にみられる考え方ですね。このケースでファミリークローゼットは別として居室の合計が約30帖15坪程の計画になります。
ウサクマさん:humhum...
ムロタ:次にsmall-LDKのプラン。先程の畳リビングのケースですね。子供室が4.5帖で、収納も1帖ずつ、寝室は6帖で、収納が2帖そして10帖の畳リビングに収納が1帖。これで居室の合計は同じように30帖になります。
ウサクマさん:Ohhh...
ムロタ:どうですか?どちらの暮らしが楽しそうですか?
ウサクマさん:こうすると違いが分かりやすいですね。
ムロタ:次に玄関や水回りなどの共用部分を想定します。プライベートな居室がA群、LDKをB群としましたので、共用部分はC群とD群にします。
ウサクマさん:了解です。
ムロタ:玄関が1.5帖で、納戸や収納が2帖、浴室が1.5帖で、脱衣室も1.5帖そしてWCが1帖で、これをC群とします。もう一つWCが必要なのでこれがD群ですね。あとは両方に階段のスペースが必要なので、合計するとC群は9.5帖で、D群は3帖そしてC+D群の合計は12.5帖です。
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:A・B・C・D群全部の合計は約42.5帖なので、約21坪で廊下を足すと23坪~24坪の住宅になるかと思います。ファミリークローゼットを設けるならもう少し大きくなりますがね。
ウサクマさん:そうなりますかー。
ムロタ:ここで考えて欲しいのですが、家を効率的に建てるには1Fと2Fの大きさを揃えた方が良いです。屋根や基礎または地盤改良の面積も小さくなりますので、費用面でとても有利になります。ですがそうなると、大きなA群とB群は別々の階になります。
そしてC群とD群は、どちらかの相方になるのですが、1Fと2Fの大きさを揃えるのですから、大きなLDK計画の方はA群+C群B群+D群となります。このままいくなら、玄関はC群なので2Fリビングですね。玄関と収納だけD群に入れることも出来ますがその場合は1Fが大きくなります。
次にスモールLDKのケースです。こちらはA群+D群、B群+C群となります。リビングと同じ階に玄関や水回りがありますので、生活動線もスムーズで老後も1Fだけで生活できます。また大きな部屋がないので、各部屋の入れ替えも容易にできて、間取りの可能性も広がります。
ウサクマさん:なるほど。大きなLDKにするとそれだけで間取りの幅が狭くなるんですね。
ムロタ:正解です。大きな部屋というのはそれだけで制約が増えます。耐震的にも不利なので、知らず知らずのうちに間取りの可能性が狭まり価格も上がってしまいます。なので、最近増えている23坪前後の住宅を建てるときは、このようなsmall-LDKという選択支も視野に入れてみてはどうですか?ということです。
ウサクマさん:なるほどね。
ムロタ:最近の住宅は価格も上がりましたが、耐久性もグンっと向上しています。誰が建てても終の住いです。今の暮らしだけではなく、30年後・50年後の暮らしを見据えて、優先順位を整理してもらえるとよいかなと思います。
ウサクマさん:了解です。
ムロタ:それと回しモノではありませんが、幹太君も考えてみて下さいね。スペースが重要な家では強い味方になります。
ウサクマさん:分かりました。
ムロタ:はい今回の話はここまでです。