2024.05.11 トットの森
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しばらくお待ちください。
ハウスメーカーと工務店の決定的違い、ちゃんと知っていますか?
ウサクマさん:ムロタさん、ハウスメーカーと工務店これってどう違うのでしょう?どちらも同じ様に思うのですが・・・。
ムロタ:あー家を建てるときに必ずぶつかる疑問ですね。
ウサクマさん:ネットの記事を読んでも良くわかりません。結局どちらがお得ですか?
ムロタ:業界アルアルですね。記事を書いているのがハウスメーカーだったり、工務店だったり、またはどちらかから依頼されて記事を作っています。どうしても偏った記事になります。第三者として記事を書くメリットがないので仕方のないことですが、信憑性には乏しいですね。
ウサクマさん:内容がバラバラで、よくわかりません。
ムロタ:実はハウスメーカーや工務店と一口に言っても、色々なタイプがあります。それぞれ全く別ものです。当然、得意なことも違います。これを知らないと、理解するのは難しいでしょうね。
ウサクマさん:そんなに色々なタイプがあるのですか?
ムロタ:ありますね。ですが皆さん同じような顔で並んでいるので混乱しちゃいます。
ウサクマさん:困ります。
ムロタ:しかも、得意なことや価格も違うのに、そんなことはアピールしません。
ウサクマさん:どうしてですか?
ムロタ:苦手な分野の仕事も取りたいからです。これは商売なので仕方ないですが、アナタが求める住宅を建てるのに、適した会社を選べる知識ある。これだけで、かなり優位に家づくりを進めることができます。
ウサクマさん:それは知らねばなりませんね。しっかり教えてください。
ムロタ:分かりました。では“HMと工務店はどう違うのか”、“どの会社を選べば良いのか”、これを紹介します。まず、ハウスメーカーと工務店をタイプ別に分類していきましょう。
ウサクマさん:お願いします。
ムロタ:ハウスメーカーは大きく分けて、
この3つに分けることができます。
ウサクマさん:ブランド系は知っています。憧れますよね。
ムロタ:そうですね、よくCMでも流れています。ブランド系ハウスメーカーでよく聞くのは、住友林業・ダイワハウスセキスイハウスなど誰もが知っている、高価格帯の家をつくるHMで、ステータスをも提供します。大きなグループ会社で運営されるハウスメーカーですね。
ウサクマさん:品質は間違いないってイメージです。
ムロタ:次に建設会社系ハウスメーカー。これは大きな建設会社や不動産会社が、その会社の住宅部門として展開するケースと、住宅建設会社が全国規模に成長したタイプです。高価格帯のメーカーから、低価格帯のメーカーまで色々あります。建設会社としてのノウハウを活かして、独自の工法や商品を提供する会社もあります。
ウサクマさん:なるほど
ムロタ:最後のフランチャイズ系は、地元の建設会社などが営業力を強化するために、ノウハウとネームバリューを購入するタイプですね。
ウサクマさん:そんなの購入できるんですか?
ムロタ:コンビニみたいな感じですね。ローソンだけど近所の人が経営しているというスタイルです。ハウスメーカーは大きく分けてこの3つになります。
ウサクマさん:分かりました。
ムロタ:次に工務店の方ですが、コチラも3つに分けられます。
ウサクマさん:先程のハウスメーカーと地元ハウスメーカーは違うんですね。
ムロタ:そうですね。地元ハウスメーカーとは、全国規模ではないけど地元の住宅建設会社が成長して、○〇ハウスや○○ホームなど独自の名前を付けて運営しているタイプです。先程の紹介した建設会社系ハウスメーカーの小規模版というか、地元版ですね。
ウサクマさん:へー。全国版の建設会社系ハウスメーカーとどう違うのですか?
ムロタ:これは決定的違いがあるのですが、後でまとめて紹介します。
ウサクマさん:了解しました。
ムロタ:次に普通の工務店とは、地元の小さな建設会社から材木屋さんや大工さんなどが経営しているタイプまで、そのスタイルはマチマチです。住宅新築がメインですが、リフォームや店舗ちょっとした修繕なんかも手掛けます。10人前後で運営している会社が多いですが、一人で運営されているケースもあります。地元密着型です。
ウサクマさん:近所の建設会社はこのタイプですね。
ムロタ:最後の中堅ビルダーとは、地元の総合建設業者で、住宅だけではなく公共の物件やマンションビル・工場など何でも施工します。土木も行う会社も多いですね。
ウサクマさん:なるほどね。
ムロタ:このようにハウスメーカー3つ、工務店も3つアナタが住宅を依頼する会社はザックリこの6タイプに分けられます。
ウサクマさん:ザックリですが、なんとなく違いがわかりますね。
ムロタ:この6タイプを、ハウスメーカーなのか工務店なのか、ハッキリとわける要件があります。それは年間の施工件数です。
ウサクマさん:何棟建てるかってことですか?
ムロタ:そうです。ハウスメーカーと呼ばれる会社は多い会社で年間1万棟以上建てます。かたや工務店は多い会社でも年間100棟ほどです。少ない会社では年間2~3棟です。両者はここが決定的に違っていて、これが営業スタイルに大きく影響するのです。
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:少し余談にはなりますが、工務店側の書いた記事として必ず出て来るのが間接経費の話です。『大手ハウスメーカーは広告費や開発費経営陣の人件費などの間接経費が莫大です』、『工務店はこれらが少ないから安くできますよ』って記事です。
ウサクマさん:ありましたねーそんな記事!
ムロタ:鋭い方は気が付くと思いますが、これは話のすり替えです。家の価格は会社ごとに独自で決めるので、ハウスメーカーだから、工務店だから、では価格なんて決まりません。それなのにもっともな話をして『工務店の方が安い!僕らも工務店だからハウスメーカーより安いのです。』って言っているのです。そんな訳ないですよね。
目の前にある魚は美味しいのか?と聞いているのに、赤身と白身では白身が旨いのだ。その魚も白身だからきっと美味しいよって感じです。魚だってそれぞれですよね。身の色で味は決まりません。
ウサクマさん:例えが分かりにくいです。
ムロタ:それにこの間接経費の話、『大手ハウスメーカーは広告費や開発費経営陣の人件費などの間接経費が莫大だよ』、『工務店はこれらが少ないから安くできますよ』って話ですが、理屈でいえばこれは逆です。
ウサクマさん:えっそうですか?
ムロタ:確かに、大手ハウスメーカーの広告費や開発費は凄い金額になると思います。かたや小さな工務店の広告費や開発費なんてないに等しいと思います。ですが先程紹介した通り、年間の施工件数もまさに桁違いです。大手ハウスメーカーは年間一万棟を超えるのに対して、小さな工務店では年間2~3棟、地元ハウスメーカーでも100棟前後です。
ウサクマさん:そうなると、どうなるのですか?
ムロタ:例えば、大手ハウスメーカーの開発費や年間広告費が100億円だったとしても、施工件数も一万棟ありますので一棟当たりにすると100万円程度になります。
ウサクマさん:それでも0円と100万円では全然違うと思いますが・・・。
ムロタ:そう思うかも知れませんが、年間1万棟施工する会社と年間2~3棟の会社では、木材や建設材料職人の手間代にいたるまで、仕入れ価格は全く違います。住宅一棟分の仕入れ価格の差は100万円程度ではないと思います。
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:それなのに、この話が出るときは施工件数の話は全く出てきません。可笑しいですよね。なので、個人的にはこの話工務店側のセールストークだと思っています。
ウサクマさん:そうなりますか
ムロタ:話を戻すと、ハウスメーカーと工務店の決定的な違いは、その年間施工件数です。純粋に安く建てる力だけを比べるなら間違いなくハウスメーカーの方が安く建てる力は強いということです。ですが実際にはこれに利益がのりますしそれは各社マチマチなので正確に比べるには同じ間取りで同等な仕様これで相見積をして貰わないとどこがお得かはわかりません。同じ坪数の家でも形が違えば価格も違うので注意して下さい。
ウサクマさん:なるほど。
ムロタ:間違っても掲げている坪単価では判断しないようにして下さい。かかげている坪単価は、客引きのためのもので巧妙に細工されていますのでそれを間に受けていると最終的には全く違う価格になります。正確に比べるには同じ間取りと同等な仕様で相見積をして貰う!これ以外はありませんのでこれを実践することを強くオススメします。
ウサクマさん:わかりました。
ムロタ:これでなんとなくですが、6タイプそれぞれの価格事情といいますか、その内訳はイメージできると思います。
ウサクマさん:年間施工件数が多い方が安く建てる力は強く、あとは商品やターゲット、経営方針や利益率によって価格が変わるって感じですね。
ムロタ:OKです。決してハウスメーカーだからとか工務店だからという理由でどちらが安いかなんて判断はできないってことを覚えておきましょう。
ウサクマさん:わかりました。
ムロタ:価格のイメージがついたら今度はそれぞれどんな家が得意なのかです。
ウサクマさん:おおー凄く気になりますね
ムロタ:実はこのどんな家が得意なのかにも年間施工件数が大きく関わってきます。結論から言うと、ハウスメーカーの家は、コストパフォーマンス重視・規格品・既成建材を多用する家です。工務店はその逆で、個性的な家を建てたい方向きです。具体的に言うと造作家具や間接照明の採用、一般的ではない建築材料や凝った間取り・外観など人とは違う住宅を求める方に向いています。ですが当然コストパフォーマンスは悪くなります。
ウサクマさん:どうしてこんな結論になるのですか?
ムロタ:何度も紹介してきたように、ハウスメーカーと工務店の不変の定義は、年間施工件数です。全国規模で圧倒的施工件数を誇るからハウスメーカーであって、これが少ない会社は工務店です。そしてハウスメーカーの強みは、大規模発注やシステム化された工程による仕入れ価格や経費圧縮、コストパフォーマンスです。これを行うために、ハウスメーカーは商品の規格化・作業の単純化に注力します。これに例外はありません。これを行わないとスケールメリット、大量発注という強みが活かせないからです。言い換えると、現場監督さんは毎回同じ工程を淡々と進める。職人さんの仕事も単純作業化する。そうすることで仕入れ価格や直接経費を圧縮します。
ウサクマさん:なるほどね。
ムロタ:かたや工務店の方は真逆です。年間の施工件数が少ないので、大規模発注はできません。つまり、商品を規格化するメリットがないので、一棟一棟個性的な家を作れることを持ち味にします。
ウサクマさん:そうなりますか。ここが住み分けですね。
ムロタ:そうです。アナタの欲しい家が汎用タイプで規格品OKなら、ハウスメーカー同士で相見積を取りましょう。逆に、凝った家個性的な家が欲しい方は、工務店同士で相見積を取って下さい。ちなみに、設計事務所に頼んで家を建てるときは、工務店側の施工会社が建てることになります。
ウサクマさん:なるほど。ちなみにですが、ハウスメーカーに凝った家を依頼するとどうなりますか?
ムロタ:はい喜んで!といって受注しますが、価格がガンッとあがります。監督さんや大工さんも、個性的な家は不慣れなので、仕上がりもオススメできません。当然ですよね。経費の圧縮ができない上に、慣れない業務ですから。
ウサクマさん:ガーン
ムロタ:このような理由から、ハウスメーカーには汎用品・規格品を多用した平凡な家が向いていますし、工務店には個性的で監督や職人の技術が求められる家が向いています。
ウサクマさん:なるほど。確かにそうなりますね。
ムロタ:これで、アナタの家はハウメーカーと工務店どちらに依頼する方が良いのか、判断できるようになったと思います。
ウサクマさん:なんとなくですが、分かりました。
ムロタ:一般的には、この他にもハウスメーカーと工務店で色々と比較されていますが、耐震性能や断熱性能など住宅の性能が数値で出てくる時代なのでそれでチェックすれば良いです。
ウサクマさん:分かりやすくなりましたもんね。
ムロタ:メンテに関してはどっちもどっちです。大手はしっかり見えますが、担当者が転勤等でコロコロ変わります。小さな会社は地元密着が売りなので担当がいなくなることは稀ですが、会社がつぶれちゃう可能性があります。
ウサクマさん:えええー
ムロタ:そして最後に会社選びの秘訣をお教えします。
ウサクマさん:そんなのあるんですか?めっさ知りたいです。
ムロタ:会社選びは社長の人柄で判断しましょう!
ウサクマさん:えっ、社長の人柄ですか?
ムロタ:HMの場合は支店長や地域統括マネージャーですかね。何が言いたいかというと、最終的に決定権を持っているのは社長です。利益の幅からトラブルやメンテの判断も最終判断は社長です。なので、気持ちの良い社長の会社を選びます。
ウサクマさん:なるほどね。やはり人ですか!
ムロタ:いかがですか?これで施工会社をある程度まで絞り込めるはずです。あとは同じ間取り・同等の仕様で相見積をして、一番お得な業者さんを選択しましょう。
ウサクマさん:分かりました
ムロタ:はい今回の話はここまでです。